宮島

《宮島》

宮島は松島、天橋立と並んで日本三景の一つに数えられる、世界的に有名な日本の景勝地であり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。島自体は古代より信仰の対象となっており、12世紀に時の権力者、平清盛が島の中心の厳島神社を庇護したことで発展していきました。
その後、幾度か火災や天災に見舞われながらも改築、増築を繰り返し現在の姿になっています。
宮島口港からフェリーでわずか10分でアクセスすることができ、フェリーに乗れば宮島のシンボルである海中に立つ大鳥居がすぐに見えてきます。高さ16.6m、重さ60tの朱色の大鳥居は8代目で、1875年に建造されました。干潮時にはこの鳥居まで歩いていくことができます。



宮島港に着くと野生のシカが出迎えてくれます。日本で野生のシカと出会えるのはここの他に奈良公園があります。確かに両方とも同じ種のシカですが、その性格や扱われ方などで異なる点が多々あります。
奈良公園のシカは古来より神の御使いとして尊ばれており、現在では天然記念物として保護されています。また公園のいたるところでシカの餌を販売しており、シカへの餌やりがアトラクションの一つとなっています。
一方宮島のシカは神の御使いでもなければ天然記念物にも指定されていません。宮島は島内全体が神域となっており、あらゆる殺生が禁止されているため、シカが生息しているのです。宮島では現在は観光客による餌やりは禁止されていますが、お腹を空かせたシカが荷物を餌と勘違いして噛んでしまうことがあるので、手荷物やカバンの中身に注意が必要です。



厳島神社は港から表参道の賑やかな商店街を歩いていくと見えてきます。朱色を基調とした社殿は「寝殿造り」という貴族の邸宅様式で、本殿とその他の建物を廊下で繋いでいます。建物の大部分が海域にあるため、満潮時には建物を支える杭が水につかり、社殿が海に浮いているように見えます。秋から初冬にかけての潮位が高い時期、満潮時には廊下も水につかることがあるため、一時的に拝観が中止になることもあります。このような台風や高潮等の被害を受けやすい立地にもかかわらず、いままで社殿の重要施設は大きな被害を受けたことがないのは驚異的といっていいでしょう。

宮島観光のハイライトはやはり海に浮かぶ本社ですが、宮島にはたくさんの観光スポットがあります。厳島神社を出てそのまま進んでいくと大聖院という宮島最古の寺院があり、寺院内ではお戒壇巡りという暗闇の本堂地下を手探りで歩いて進む仏教体験ができます。また遍照窟では日本一有名な四国88か所巡りの御利益を一度で受けることができると言われています。他にも一願大師や不動明王、地蔵などご利益のある仏像がとにかくたくさんあります。



厳島神社裏手の紅葉谷公園は新緑や紅葉が美しく遊歩道が整備されており、さらにそこからロープウェイが延びて弥山(みせん)の山頂近くまで行くことができます。古くから霊山として崇められ、未だ手つかずの原始林の残る弥山の山頂からは360°のパノラマが広がり、天気が良ければ瀬戸内海の島々を見渡すことができます。時間と体力のある方はチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
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