尾道

尾道

広島県の東側、四国への玄関口である尾道は、昔から人の往来が多い街でした。江戸時代は海運、明治からは鉄道輸送の中継地として中国地方と四国地方の物流を支えていました。現在ではしまなみ海道と中国横断自動車道が開通し、「瀬戸の十字路」としてさらなる利便性の向上が期待されています。
そんな尾道は昔から人気の観光地です。観光客を惹きつける魅力とはいったい何なのでしょうか。今回はその魅力をご紹介していきます。

①「坂のまち」と千光寺
尾道は北の山側と南の海側との間が狭く、平地がほとんどないことから、必然的に山を切り崩して居住地を建てた歴史があります。そのため道は山に沿うように造られ、高低差も激しいことから尾道は「坂のまち」と呼ばれるようになりました。この独特の地形と景色を堪能できるの場所が千光寺でしょう。



千光寺にはロープウェイか歩いて坂道を上ることになりますが、まずは尾道の町並みと尾道水道が一望できるロープウェイで行くのがおすすめです。山の中腹に建てられたこの寺は、本堂が斜面に立っているので、そこから眺める景色は抜群です。また体力に自信のある方は本堂裏にある石鎚山鎖修行に挑戦するのをおすすめします。ただし柵のない岩山を鎖一本で登るので必ず動きやすい服装で挑戦してくださいね。



千光寺を訪れた後は歩いて坂道を下るのがおすすめ。緩やかなところ、階段になっているところ、狭くなっているところ様々です。ちょっと疲れてくるかもしれませんが、その時は古民家を改装したカフェが沢山あるので休憩しましょう。歩いていると気付くのは、猫が沢山いること。尾道では人間になれた猫が沢山いるので、猫たちと戯れるのも尾道の楽しみの一つ。千光寺の近くには「猫の細道」という名前の路地もあるので、猫好きの人は是非訪ねてみてください。

 

②「映画のまち」と「文学のまち」
尾道が様々な芸術作品の舞台になったことも、尾道が人気である理由の一つです。文学では志賀直哉『暗夜行路 』や林芙美子『放浪記』、映画では小津安二郎『東京物語』や大林信彦『時をかける少女』など、尾道はしばしば日本を代表する芸術作品の舞台になっています。またこれらの芸術作品や芸術家に関する資料館もあります。
千光寺山の中腹にある「おのみち文学の館」では「志賀直哉旧居」や林芙美子の書斎を復元したものや、作家たちの原稿や資料を展示しており、尾道市役所のほど近くにある「おのみち映画資料館」では『東京物語』をはじめ小津や新藤兼人(しんどうかねと)の資料を中心に展示しています。



もう一つ尾道で忘れてはならないのが「シネマ尾道」です。「映画のまち」であるにもかかわらず、2000年代初めには尾道の映画館は廃業してしまいました。しかしかつての映画館を再興しようとする運動が始まり、2008年に単館シネマが再オープンしました。それが「シネマ尾道」です。シネコンではあまり見られない、上質な映画を上演している素敵な映画館です。旅行中に映画館に行くことはあまりしませんでしょうが、もし面白そうな映画を見つけたら立ち寄って見るのもいいかもしれませんね。旅先で見る映画は思い出深いものですよ。



③グルメ
旅先で楽しみたいのはやっぱり美味しい食事。尾道名物尾道ラーメンは外せません。豚の背油を浮かせた醤油スープと平打ち麺が特徴ですが、店舗ごとにそれぞれ特徴があります。確かに背油は乗っていますが、魚介をベースに作っているスープなので味はあっさりとしており、食べ比べをしてみるのもいいかもしれません。
また尾道をはじめ、広島では柑橘類の生産が盛んなので、これらを使ったお菓子や食べ物も多くあります。おしゃれな場所でグルメを堪能するなら「ONOMICHI U2」がおすすめ。海運倉庫をリノベーションしたこの施設は、ホテル、サイクリストのためのベース基地、地元の特産を集めたアンテナショップ、レストランが入った複合商業施設となっています。ご飯はもちろん、お土産を買うのもおすすめです。



④サイクリング
尾道はしまなみ海道の起点であり、サイクリストたちの聖地です。尾道で自転車を借り、向島に向かいます。そこからがサイクリングのスタート。道路には青い線が引いてあるので、その通り進んでいけば次の島に進むことができます。ただし坂道が続くこともあるので、体力に自信のない方は電動アシスト付き自転車を借りるのがおすすめです。



ここまで尾道についてご紹介してきました。これまでの尾道といえば年齢層の高い観光客が訪れるイメージでしたが、現在では若い人や外国人観光客もよく訪れる場所となっています。特に若い世代の人たちが空き家や倉庫をリノベーションし、尾道に新しい価値を生み出しています。伝統と現代が組み合わさった尾道に是非一度訪れてみませんか。
 
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